なんとなくアニメ考察


唐突にはじめてみたコーナー。

今回考察するアニメは「美少女戦士セーラームーンSuperS」。結構古めのタイトルなんですが、このアニメがなかなか深かったりとかなんだとかして面白かったりしています。意外と少女向けと思っていたら侮れないんですよね。自分としてはアマゾントリオのくだりは好きです。設定から何まで、全アニメの中でも練り込まれたものなんじゃないかなと思っていますし、現在でも通用するものだと思います。

さて、今回の考察はそのアマゾントリオが追い求めていたペガサス。その宿主を示すものとしてSupersS全体で登場してくる夢の鏡。これについて考察していきたいと思います。

※以下のページにキャプ画像が貼り付けてあります。ご注意のうえ閲覧をお願いします。

まず、夢の鏡とは夢を持つ人間が持っている、という設定であるようです。しかし、中には美しくない夢を持っていても出てくるケースがあり、その有無は夢の内容にはあまり関係していないようです。一例として、美しくない夢を持っている人間の夢の鏡は曇っていることが確認されており、これを食べて始末するよう命令した敵幹部に対し、レムレスが食べることを拒否していた描写があります。おそらく、美しくない夢はまずいのでしょう。

夢の鏡を出す方法は2つあります。
1つは、「ワン、ツー、スリー」とコールして標的を赤い板に拘束し、夢の鏡を引き出すという方法。
もう1つは、ビリヤードの要領で標的にボールをぶつけ、夢の鏡を弾き出す方法です。
前者はアマゾントリオが、後者はアマゾネスカルテットが使用した方法です。前者の方法は標的を油断させていないとまず決まらないのですが、後者はある程度警戒していても決まります。今回の考察では前者の方法で見ていきます。

まず、「ワン」というコールでこのような赤い板が現れます。この状態ではまだ拘束はかかっていません。
すぐさま「ツー」をコールすることで手足を拘束します。

板と標的の間に障害物がある場合、その障害物を破壊します。出現の際にはかなりのパワーを発揮するようです。


他に誰かいても、標的だけを確実に捕らえる正確さを見せます。
関係のない人間は確実に弾き飛ばしてしまうようですね。

また、他のアマゾントリオと同時にコールした場合、このように2枚出るようです。2枚が少し斜めになってせり出すあたりは相当芸が細かいです。


基本的にこのように最初に板にくっつけられた時と同じポーズで拘束されます。この間は恐らく一瞬と思われ、まずかかったら逃れられません。


稀にこのように手の拘束位置が変化していることがあります。おそらくミスでしょうが、一応出しておきます。
なお、拘束金具は板のどこからでも出ます。とても不思議な構造です。

そして「スリー」のコールです。この段階でようやく夢の鏡を引き出すことができます。
標的は夢の鏡を引き出される際の苦痛のため、この段階で絶叫します。中には絶叫が弱いケースもあります。この苦痛は人それぞれで違うようです。
なお、アマゾネスカルテットが用いた方法はボールが当たった瞬間の苦痛しか伴わないようで、一瞬「うっ!」と声をあげる程度です。

夢の鏡を引き出された瞬間です。この瞬間標的はぐったりとしますが、この後すぐに意識を回復します。

大抵の場合はこのように意識を持ったまま迫られることになります。
この迫られる際の恐怖で失神することでしか、意識のないまま襲われるということはない模様です。

さて、標的を襲う役目はSまでは敵のザコが何らかの方法を用いて遅い目的を達していました。
しかし、SuperSはその辺が一味違います。ザコはあくまで目的の達成の妨害を阻止することにあるのです。そう、標的に対して行動を起こすのは敵幹部、アマゾントリオなのです。ザコ任せにしないところが好感持てますね。
この夢の鏡に対し何をするのか、実にそれがSuperS前半のメインイベントと言っても過言ではありません。

このように夢の鏡に頭を入れ、直接鏡を覗き込むのです。
鏡なのに頭を入れる? という疑問もあるかもしれません。それはもう疑問に思わざるを得ないでしょう。

夢の鏡のサイズはこんなもの。女の子の頭がやっと入るくらいでしかないのです。
これどうやって頭入れるのっていう疑問を抱くのも無理はありません。


ちなみに裏と真横はこんな感じ。画像を見て分かるとおり、相当薄いです。裏のデザインはかなりシンプルです。
ここからどう頭を入れていくか、正解はこうです。



正解は伸縮自在、ということです。
このように左右に引っ張り伸ばして頭を入れていくのです。なお、この際に夢の鏡を引っ張り伸ばされる苦痛を伴うようです。
ドラゴンボールに登場する、べジータフリーザ一味がよく着ていた戦闘服を思い浮かべてみてください。引っ張ればどんどん伸びる素材です。あのような素材でできているのではないかと推測します。

なんとここまで無茶なところまで引っ張り伸ばすことも可能なのです。
この画像では2人頭を入れています。しかし、それだけやられているのは相当な苦痛だろうと思いますね。実にこの際に標的とされていた美奈子が言っていた台詞が

「あたしの夢が、壊れちゃうでしょうが…」

だったりしますからね。それほどの苦痛だったのでしょう。
ただ苦痛を与えるだけではメインイベントとしては不十分ですね。それではSと大差ありません。では、SuperSの夢の鏡を覗くという行動はそれと何が違うのでしょうか?



表情にご注目。頬を紅潮させて恥ずかしがっているのが見えると思います。
夢の鏡を覗かれている際は、標的には苦痛と同時に恥ずかしさも感じているのです。
それを如実に表す台詞もあり、この3枚の一番上の女性は覗かれている際に「お願い、見ないで!」と言っているのです。それほどまでの恥ずかしさを感じていることが分かると思います。

覗かれる前からこのように恥ずかしそうにしている場合もあります。
夢の鏡を引っ張り伸ばされているだけでも恥ずかしさを感じるということですね。




夢の鏡を覗くところで、ここまでの表情をすることもあります。しかも実際の映像はほとんど叫び声と嫌がる声です。いやがおうにも変な想像をしてしまいます。
なんというか、これを当時、子供向け、しかもゴールデンタイムに流していたということがにわかにも信じられません。このシーンになった瞬間、お茶の間が凍りついたのではないかと推測できますね。10月〜11月に打ち切りになった「立派なきのこ」のCMに匹敵する際どさがあると思います。
このアニメを知らない初見の方なんかには「セーラームーンって公式でそういうアニメなの?」という疑問さえ持ってしまうのではないでしょうか?

まぁ、しかしです。このように標的に意識がない場合は苦痛や恥ずかしさを訴える声もなく淡々と終わってしまいます。この画像の場合でも、あっさり5〜6秒くらいで終わってしまっています。


意外と夢の鏡を覗かれている時の構図のバリエーションは少ないようです。
例えば、この構図と……


この構図は同じ構図です。しかし、それでも手抜き感のないところがこのシーンの素晴らしいところですね。

覗き終わったらこんな感じに意識を失います。

覗くために引っ張り伸ばしていた夢の鏡も、このように元の大きさまで戻ります。
この状態ではまだ、拘束は解除されていません。なぜならば、アマゾントリオであれアマゾネスカルテットであれ夢を持った標的にやることがあります。人間の夢に宿るペガサスの逃げ場を失わせるために、夢の持ち主を始末するという最終目的があるのです。
アマゾントリオの場合は直接殺すという選択肢を取ろうとしています「かわいそうだけど、始末しなくちゃね!」と言っていることから、殺すと推測しています。
アマゾネスカルテットの場合は、標的を殺さずレムレスに夢の鏡を食べさせることで夢を処分しようとするようです。ただし、夢の鏡を食べてから消化するまでには相当時間が、かつゆっくりと消化する必要があるようで、邪魔者を倒してからという選択をします。そのため、倒されてそのまま夢の鏡を吐き出してしまいます。夢の鏡を食べさせるパターンの場合、吐き出された夢の鏡はそのまま持ち主のもとに自動的に戻ります。



アマゾントリオによる標的の拘束を解き、夢の鏡を戻す方法はアマゾントリオを撤退に追い込むことのようですね。倒した場合どうなるかは不明です。
どうやら拘束有効範囲というものは限られているようで、撤退して離れてしまうとその拘束を維持できなくなり、画像のように赤い板もスウッと消えてしまいます。それ以外ではよほど特殊な事例でもない限りは拘束からは逃れられません。

通常はこんな感じです。
まず普通の力では取れないと思っていいでしょう。

この画像からでは分からないかもしれませんが、この画像の30秒後くらいに美奈子は通常はずせない拘束を自力で外すという離れ業を見せてくれます。Sでもピュアな心を抜かれたにも関わらず全力疾走して敵も味方も困らせたというトンデモエピソードがあります。

この状況から……

このように拘束をぶっちぎります。本当にこの子のパワーというものは底知れません。

さて、この夢の鏡を覗くという行為、基本的に「スリー」のコールをしてから該当のアマゾントリオが行うことになります。標的とする人選もトリオごとに決まっているところが面白いです。

まず、金髪の男であるタイガーズアイは若い女性を狙います。うさぎ以外のセーラー戦士の夢を覗いたのは全部タイガーズアイです。ちなみに、タイガーズアイの声優は置鮎龍太郎。「タイガー→虎→砂漠の虎」という繋がりを見ることができます。ちょっとにやりとしてしまいますね。
赤っぽい髪をした男であるホークスアイは熟女を狙います。実はうさぎに最初に襲いかかろうとしたのはこのホークスアイです。ちなみに、ホークスアイの声優は古川登志夫。ちょっと斜に構えたイメージがカイ・シデンを連想させます。
青髪の一見女性に見えるフィッシュアイは男性を狙います。ただし、まことの夢の鏡を出す行動を取ったのは実はフィッシュアイ。実際に覗いたのはタイガーズアイです。ちなみに、フィッシュアイの声優は石田彰アスラン・ザラとかを想像していると、まずこれが石田彰だとは気付かないでしょう。

この画像を見ても分かるとおり、夢の鏡を覗き込むという行為自体は別にアマゾントリオでなければ行えないというわけではありません。フィッシュアイが引き出した夢の鏡をタイガーズアイが覗くことは可能でしたし、この画像ではアマゾントリオでない者が夢の鏡を覗いています。ここから推測できることは、夢の鏡は誰でも覗くことができるものであるという推測です。劇中では一度もしていなかったのですが、アマゾネスカルテットにしても夢の鏡を覗くという行為を取ることは可能だったのではないかと思います。
勘のいい方なら気付いているとは思いますが、誰でも覗けるということを利用すれば、もっととんでもないことができるという想像ができると思います。それ以上のことは書けませんが。

しかし、この夢の鏡を覗くという行為は、アマゾネスカルテットに変わってからはまったく見られなくなりました。それもそのはず、ペガサスの宿主となっている人間の夢の鏡は金色に輝くという情報を得たからです。これによって面倒な真似をして夢の鏡を覗き込む必要がなくなってしまい、ただ出すだけになってしまったのです。

さて、夢の鏡の耐久力というものはここまで書いてきたところから見ると相当高いものにあると思われますね。事実、相当無茶な引っ張り方をしても壊れなかったですし。


夢の鏡は横から加わる力には相当強いですが、正面から加わる力にはそんなに強くないようです。このように、意外とあっさり割れてしまいます。このあたりも正面からだと簡単に貫かれるところがドラゴンボールに出てくるサイヤ人の戦闘服と共通しています。

ここまで書きましたが、この夢の鏡というもの、考察すると実に興味深い設定であり、SuperSの根幹を成す重要なものであります。
意外とこういうのも書いてると面白いのですが、ものすごい労力を使うので滅多なことでは書かないかもしれません。

※少し追記しました