郵政民営化


骨格が決定した。それを見てみたのだが、これはとてもじゃないが賛成できるものではない内容だ。

最大の反対すべき項目というのは株の買い戻しが可能という点。これでは何のための民営化なのかが思い切り疑問に思えてくる。これによって分離経営という方針を決めたとしても結局のところは一体経営になってしまう。柔軟性があるようでない。この項目は妥協して入れたものらしいのだが、このような中途半端な妥協案ならば入れないほうがマシだ。そして、こんな妥協案を入れてその場しのぎをするくらいならば民営化などしないほうがいいだろう。

“骨抜き”な骨格では些細な衝撃でもすぐに折れてしまう。この骨格案は「叩き台」という見方もあるようだが、こんなものでは到底叩き台にすらならない。
もはや今週中どころか今月中にまとまる気配もないだろう。

何せ今の骨格案は“民”よりも“官”に大きく傾いている案だ。つまり、このまま民営化を行えば今以上に状況が悪化することになる。これでは民営化の意味はない。

コイズミ氏は「ヤマを超えた」と言っているようだが、実際のところは落とし穴に落ちているようなものだろう。いや、それどころか地雷原に片足突っ込んでいるようなものだ。

買い戻しによる一体経営ができるというあからさまな抜け道を作ることを許したコイズミ氏。早急にこの案は修正しなければならない。そして、こんな天下りの温床以外の何物でもない郵政民営化の成立を許してはならない。

甘い汁を吸い、郵政民営化の裏で己の欲望を満たさんとする“寄生虫”を一匹残らず駆除しない限り、民営化の成功など絶対にないと言い切る。それらの寄生虫を駆除できないのならば、民営化などしないほうが国民のためだ。

小泉内閣を象徴する本丸の郵政民営化。その土台はすでに半分以上が腐っている。このような“手抜き工事”を許したまま完成させては、何かの拍子に崩れてもおかしくはないのだ。