シナリオ感想


機動戦士ガンダムSEED−白金の翼−


ワハクさん(id:WAHAKU)の最新シナリオ。なんかいろいろ文句言っておきながらちゃんとプレイする俺って何なんだろうな。


データの数値面については突っ込むときりがないので突っ込みません。前回に指摘していた「解説で能力の詳細を覆い隠すのは不親切だ」というのはある程度は改善されたようです。しかし、やはり回復アビリティが無消費というのは多大にバランスを破綻するものであると思います。戦艦に異常なまでに強力な回復アビリティがついている点もいただけません。むしろ母艦能力があるので回復アビリティはなしでもいいくらいです。回復アビリティには何らかの消費は設けるべきでしょう。また、アイテムも必要技能に(アイテム)がないせいか戦艦に入ればまた使えてしまうのでやはりこれもバランスを破綻させる原因となりえます。これは弾数1で(アイテム)として使い捨てにしたほうがいいかもしれません。

ストーリー面では、相変わらずキャラクターが勝手にしゃべっているだけにしか見えません。人形劇も実に不完全なものに見えます。キャラクターの特色がほとんど活かされていません。本当に誰でもいいような感じがします。全キャラデトロイト・メタル・シティの登場人物に摩り替えても問題なく進むでしょう。後半あたりからその傾向が強くなっているように感じます。後半はやたら頭の悪い展開が続いたり、やたら唐突だったりしてプレイヤーを完全に置き去りにしているような感があります。とりあえず何の大義も信念もなく容易く裏切ったり、手当たり次第に破壊を繰り返すような展開は安易に多用しても何の効果もないと思います。

戦闘面についても、相変わらず作業です。ザコばっかり60機も70機も短時間で出されても正直迷惑ですし、ぶっちゃけストレスがたまります。マップ兵器を駆使しないと間違いなく途中で投げたくなります。そのくせネームドが無駄にしぶといだけで大した手ごたえがないのでただの作業感がさらに高まってしまっています。ここは根本的に改善をすべき点でしょうか。この部分を改善する努力をしない限り何シナリオ作っても同じ気がします。

あと、特定ユニットの目的地到達で全滅が十分可能な場合は、敵の全滅も勝利条件に加えたほうがいいかと思います。敵がいないのに目的地に寄せるためだけにユニットを動かす作業は実に無駄ですので。

演出面はタイトル表示のサブルーチンにWait Clickを使うのだけはやめたほうがいいでしょう。SRCが固まったと勘違いされる可能性があります。とくに理由がない限りはWait Clickでない方向で進めたほうがいいと思います。最初やった時は俺も勘違いしました。

まとめとして、前2作との相違点はどこ? と小一時間問い詰めたくなるほど題材や内容の変化がないように感じます。つまり、続編でもないのに似たようなものを何個も書いてるということです。しかも、内容的な改善や成長があまりに少ないため、プレイヤーから「またこいつは同じものを書いてるな」と思われがちです。一度題材や内容を一新して違う切り口から何か作品を書いてみることが必要かもしれません。


ふぅ、完全にダメ出しだな、これは。